王国リサーチ(子育て支援情報レポート)

公園前の小さな本屋 みつけどり

今回は、鳥取県東部の鳥取市にある「公園前の小さな本屋 みつけどり」にお邪魔しました!(以下、「みつけどり」と言います。)

「みつけどり」は、20年近く小学校図書館司書として勤務されていた店主の田上さんが退職後も“良い本を必要な人に手渡したい”と思い立ったことをきっかけに、児童書専門の古本屋として2015年2月にオープンしました。
団地の中にある「みつけどり」は店名のとおり、お店の前に公園があります。公園にはすべり台・鉄棒などの遊具、ベンチが設置され、芝生のスペースもあって人々の憩いの場所になっています。

 
白を基調とした外観で、入口に置かれたプランターの可愛らしい寄せ植えに心が癒されました。早速店内へお邪魔します!

 
店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが棚に所せましと並べられた絵本の数々。お店を始められる前から田上さんが集めてこられた約2、000冊を含む、たくさんの児童書や絵本。年々数も増え、今では約4、000冊あるそうです。

 
床がフローリングになっているので赤ちゃんがハイハイできたり、ソファーでくつろいだりできます。子どもから大人までのんびりとした時間を過ごすことができる素敵な空間♪

 
「本のことが自然に話し合える居心地の良い場所になったらいいな。」と話す、田上さん。木目調の暖かなデザインが印象的な店内は、木のぬくもりが感じられる雰囲気です。


赤ちゃんのためにつくられた、布製の手づくり絵本もあります♪

 

~絵本作家による手づくりおもちゃ~
「999ひきのきょうだい」シリーズの作者である木村研さん(鳥取県伯耆町出身)がサプライズ来店された際、突然のワークショップが開催され、はさみと牛乳パックと色紙で木村研さんの手からあっという間に次々とカエルの切り絵やおもちゃが出現!来店していた子どもたちは木村さんのはさみを持つ指先にくぎ付け。次々と出来上るおもちゃに、子どもたちはみるみると笑顔になっていったそうです。
 
木村さんが作った牛乳パックの「ぱくぱく人形」。次の日も、おもちゃが出来上がるまでの過程を見ていた子どもたちがお店を訪れ、“つくりたい!”と言って、つくって楽しんでいたそうです。作者の木村さんいわく、“何が出来るんだろう”というワクワク感と出来たものを見て“どうやったら作れるんだろう”と考えさせるのも大事なポイントなのだそうです。

 
こちらは、芳賀哲さん(仙台手づくりおもちゃ研究所所長)の手づくりおもちゃ「ケロケロカエル」。芳賀さんは今年7月に来店され、店内いっぱいのお客様は工作ショーで大笑い!材料は、紙コップとストローと色紙のみ!ストローを下に引っ張ると“ゲコゲコ”とまるでカエルが鳴いたような音を鳴らしながら、カエルの口がパカッと開く仕掛け♪

 
こちらも芳賀哲さんの「花開く」おもちゃ。花が開いたり閉じたりする仕掛け♪ストローと色紙があれば簡単につくれるおもちゃに子どもたちも大喜びです。

 

<リトル・フリー・ライブラリーを設置しています!>
「みつけどり」玄関前に、リトル・フリー・ライブラリーを設置しています。リトル・フリー・ライブラリーは、どなたでも無料で自由に本を借りることができるシステムで、県内では、鳥取県庁前や鳥取市の郵便局前のバス停にも設置されています。(返却目安:約1ケ月)

【リトル・フリー・ライブラリーってなあに?】
リトル・フリー・ライブラリーは2009年にアメリカでトッド・ボルさんが、家の前に巣箱型の本箱を設置して本を置いたのが始まりで、誰でも無料で自由に本を借りることができ、世界70ヵ国以上2万5千ヶ所以上設置されています。
 
(写真左)本を借りられた後、公園のベンチで本を読む人の姿も見られるそうです。
(写真右)暖かく晴れた日の公園は、お弁当を持ってランチをされる家族連れの姿が見られたり、子どもたちの賑やかな声が聞こえたりする日もあります。

 

<店主の田上さんにお話を伺いました!>
“子どもの本が大好きでずっと関わっていたい”、“今では書店でも買えなくなってしまった良い本を集めてお届けしたい”、との思いから、図書館司書を退職し、児童書専門の古本屋を始めることにしました。これまでに集めていた絵本や児童書を中心とした手持ちの本が数多くあったことも、お店を始めることになるきっかけや後押しになりました。

体の成長には食べ物が必要ですが、心の成長には本という栄養が必要です。最近ではスマホが普及し、動画を見たりする機会も増えていますが、脳に良い影響を与えないと言われています。本は、自分が見ようとしなければ見られないので、“読む力”が養われます。「みつけどり」では、心の真の栄養となる本を揃えています。限りある子ども時代の貴重な時間に心の糧となる良い本を届けています。

「みつけどり」は、親子、おじいちゃんとお孫さん、絵本の読み聞かせボランティアの方や絵本が好きな方など、いろいろな方がお見えになり、嬉しく思っています。妊婦さんや赤ちゃんも来ていただいています。小さなお子さま連れでも、座ってゆっくりと本を読んでいただけるスペースがあるので安心です。どうぞ気軽に遊びにおいでください。

「大切な子どものときにこそ出会ってほしい本がある。」と話す、店主の田上さん。

 

≫≫公園前の小さな本屋 みつけどり≪≪
鳥取市大覚寺124-17
TEL:090-7504-3588
【営業時間】11:00~18:00
【定休日】月・木曜日(ときどき他の日も休むことがあります)
HP:https://murasakishikibu.co.jp/mitukedori/

〇当店は本の買取もしています。ぜひ、ご不要となった絵本・児童書をお売りください。
(※マンガ・百科事典などは扱っていません。)