王国リサーチ(子育て支援情報レポート)

認定こども園 かいけ心正こども園

今回は、認定こども園 かいけ心正こども園(以下、「かいけ心正こども園」)にお邪魔しました!

5月現在で311名の園児が通うかいけ心正こども園は、平成23年4月より認可保育所「かいけすまいる保育園」を併設し、鳥取県西部地区初となる幼保連携型認定こども園の認可を受け、幼保一体化施設として新たにスタートしました。平成27年4月からは、「かいけ心正こども園」に改名し、0歳から就学前までの子ども達へのつながりのある保育を心がけながら、園開放や未就園児親子教室の開催、学童保育を行っています。

また、広大な敷地には、園舎と緑の芝生が一面に広がる園庭があります。大山(だいせん)と、すぐ近くには日本海が見える自然に囲まれた環境にあり、子ども達は感性豊かに、元気にたくましく育っています。

 
緑一面に広がる芝生の園庭と大きな平屋建てが特徴的な園舎。園内には木がふんだんに使われ、玄関から入るとエントランスが広がり、開放的です。エントランスには、絵本コーナーがあり、木の香り、木のぬくもりを感じながら子ども達がゆったりと過ごせる場所があります。


暖かい時期はライフジャケットを着用して、海を満喫!潮の香りや波の音、身近にある自然にふれながら、海あそびを楽しみます。そのほかにも、年間を通して園外保育へ出かけ、子ども達は四季折々の自然を感じながら、遊びに夢中です。

 

『良い生活習慣』について
子ども達が社会で生活していくうえでの基盤となるものとして「人間性(人間の基礎となるもの)」があると考えています。

現代の多様な価値観を持つ社会の中で生活していくには、豊かな心と強い人間力を持つことはとても大切なことだと考えています。

その人間性を高めていくために『良い生活習慣』として「挨拶・返事・整理整頓・身だしなみ」に特に力を入れ、0歳児から少しずつ生活の中に取り入れています。

 

~未来をひろげるお手伝い「4つの特色」~
かいけ心正こども園では、子どもの未来を全力で広げるお手伝いをするため、4つの特色を設けています。

①造形教育
子どもの心や思いが素直に表れる表現を大切にしながら、素直に感動できる心、感性豊かな「人」を育てます。
 
(写真左)子ども達が遊びからつくり出した作品「壁面」。ダイナミックな表現!
(写真右)絵の具を使って、自由な発想で窓にお絵描き♪

 

②モンテッソーリ教育
子どもたちがこれから生きていくうえで、様々なことに興味を持ち自分でやってみようとする気持ちを大切に育てます。そして、先生が見せる手本やモンテッソーリ教具を使った活動を通して、子どもの自立を助けます。

あいさつや整理整頓などがすすんで出来るようになっていきます。

【モンテッソーリ教育とは?】
イタリアの医学博士マリア・モンテッソーリ(1870~1952年)が考案した教育法で、0歳から24歳までを四つの発達段階に区切り、それぞれの段階に応じた環境を整えて人間形成を促すもの。決められたカリキュラムはなく、個々の感性や自発性を尊重し、独自の木製教具を用いた学習支援を行う点が大きな特徴です。

 

③英語教育
世界の共通語である英語に興味を持ち、学ぶ楽しさを育てます。外国人講師と一緒に、日常生活を共にしながら、子どもたちが実際に英語を使って楽しくコミュニケーションを図ったり、異文化に触れ合うことを大切にしています。
 
(写真左)絵本を読み聞かせるルイス先生。子ども達は、絵本に夢中♪
(写真右)一緒に給食を食べる、ロイド先生。子ども達も嬉しそう!

 

④ 食育
給食室には子どもたちが直接調理室の様子をのぞける窓があり、給食の先生との関わりを楽しみにしています。地産地消の野菜を使った出来たてほかほかの給食をお茶碗とお皿に盛りつけ、家庭的な雰囲気の中で正しい食習慣が身に付くよう努めています。野菜の栽培や収穫を通して命の大切さを学んだり食育遊び・クッキング活動なども取り組んでいます。

 

~晴れの日は、広い園庭で思い切り遊ぼう!~
天気の良い日は、園外保育に出かけたり、園庭でのびのびと遊んでいます。園庭には緑いっぱいに芝生が広がり、オリジナルで木製の固定遊具が設置されています。
 
ロープをつたって上に登ったり、ロープで編みこんだトンネルをくぐったり♪

 
砂場でおままごとをしたり、すべり台で遊んだり、自らの発想でしたいこと、遊びたいものに興味を持ちながら、自由に遊ぶ子ども達。楽しそう!

 
「よーい、ドン!」の先生の掛け声で子ども達が一斉に走り出し、教室の入り口まで最後の運動。楽しいうちに園庭での遊びは終了しました♪

 

~園の人気もの、カメの「だいちくん」♪~
 
園庭には、大きなカメ小屋があります。平成20年9月に横浜市から飛行機に乗って、園にやってきた、アルダブラゾウガメの「だいちくん」のおうちです。「だいち」という名前は、園児が考えた名前がつけられました。好物は野菜で、固いかぼちゃでも口の中でバリバリと食べます!みんな、好き嫌いしないで野菜を食べてね!

【アルダブラゾウガメって、どんなカメ?】
アルダブラゾウガメは、アフリカ大陸の東側に分布しているセーシェル諸島に生息している「ゾウガメ」で、成長すると甲羅だけでも約1.4メートル程にも達する巨大なカメです。体を合わせるとかなり大きく、さらに体重は100kgを超えるとも言われています。

 

~多彩な活動~
この日、ホールでは「運動あそび」、2階の部屋では「お茶のおけいこ」が行われ、年長児の2クラスがそれぞれ活動しました。

<運動あそび>
 
ホールでは、手や足などを動かしながら、元気いっぱいに体を使った運動あそびをしていました。先生がお手本を見せたあと、“手だけを使った前進”に子ども達がチャレンジ!

 
続いては、5色のマットが登場!マットを使った運動“でんぐり返し”です。初めは少し不安があっても大丈夫。時折、先生のサポートも入り、ぐるっと回転できました♪友達がチャレンジ中も楽しそうに見守っていたり、子ども達が進んで挑戦していました!

 

<お茶のおけいこ>
年中児は年に1回、年長児は年に2回、お茶のおけいこが開かれています。園児は、お茶のおけいこを通して、年中児は礼儀や作法を学び、年長児になると実際にお茶をたて、和菓子やお茶をいただきながら日本の伝統文化「茶道」を学びます。
 
畳の上に正座をし、“おじぎ”のごあいさつでお茶のおけいこが始まりました。園児は、左右の列に分かれ、列ごとに交互で和菓子やお茶をいただきました。
「おいしくなあ~れと、心を込めてお茶をたてるとおいしくなりますよ。」とお茶の先生(写真右/中央)がアドバイスすると、お茶をたてながら「おいしくなあ~れ」と唱える園児の可愛らしい声が聞こえ、和みました。


先に左側の列に座る園児がお茶をたて、たてたお茶を向かいの列のお友達へ。和菓子を笑顔でいただいた子ども達の中には、お茶を苦いと感じるような表情も垣間見えました。
園児の様子に気づいたお茶の先生が「大丈夫?苦かったら、無理しなくてもいいからね。」と優しくフォロー。それでもうなずきながら、友達がたててくれたお茶を少しずつ、口に運んでいたのが印象的でした。

 

~低年齢児ウッドデッキ~

(写真右)ホール横にある中庭のウッドデッキ。しいの木が1本立ち、木陰もあるので子ども達の遊び場として、癒しの場になっています。

 

<吉田園長先生にお話を伺いました!>
本園の園訓として「心正行正~心が正しければおのずと行いも正しくなる」とあるように、心が正しいと、言葉も行動も正しくなり、幸せな人生を築くことにつながる、という本園の理事長が最も大切している言葉があります。子どもたちに幸せな人生を歩んでもらいたいからこそ、本園では心のありかたを大切にしています。

本園は園児数も多いことから、いろいろなかたと関わる機会がたくさんありますが、このような環境であるからこそ、これを強みとして人間力を高め、コミュニケーション力を自然に身につけながら、子どもの明るい将来につなげたいと思います。
また、本園の理事長が米子自動車学校内にあるAICアフタースクールで学童保育を運営している関係でご縁があり、そちらでお世話になっているロイド先生に毎日講師として来ていただいています。国際化という言葉を耳にしますが、普段の生活を一緒に過ごす中で自然と英語に親しみを持ちながら、英語が子ども達にとって、身近なものとなるような環境を整えています。

そして、本園では様々な活動を展開する中で、創立当初から造形教育にも力を入れています。専任の先生に来ていただき、職員も研修を通して、子ども達の素直に表れる表現、描いているときの思いを大事にしながら、「上手な絵がかけてすごいね」ではなく、“どういう思いでその子がこの絵を描いたのか?”その気持ちを大切にしています。
集団生活の中で、表現の分野である造形の時間は人と関わりながら人間関係を築いていく場でもあります。マネをしながらでも自分の個性がでたり、自分の思いが素直にでるような表現を大事にしています。一人ひとりの良さを引き出すためには、しっかり子どもを見なくてはいけないというところもありますが、心豊かな子ども、「人」を育てるという特色ある教育の中で、人間力というものを育てていけたらいいなと思います。

また、子どもの頃から日本の文化に親しんでほしいと考え、お茶のおけいこにも取り組んでいます。年中児は正座をしたり、静かに待つ、という基本的な作法から入り、年長児からお茶をたてるなど本格的に学びます。このような幼児期の体験はとても重要であり、英語や日本の伝統文化などの多方面から様々なことを知り、実際に体験する中で幼児教育の幅を広げていきたいと考えています。そして、日本の伝統文化である「茶道」と向き合う子ども達の姿をおうちのかたにも見ていただきたいという思いもあり、いつか参観日に合わせて、お茶のおけいこを開きたいと考えています。

無限の可能性を秘めている子ども達。様々な環境の中で、多くのことを経験し、心と体を育てます。私たち大人が態度・振る舞いを繰り返し見せながら、子ども達の手本となるよう常に心がけることを大切にしながら、子ども達の“未来を広げるお手伝い”を全力でしていきたいと思います。私たちは子どもの心に寄り添い、保護者のかたや地域の方々と手を取り合いながら、安心して毎日が過ごせるように努めています。


「職員同士もお互い様の精神で助け合いながら、それぞれのライフスタイル、自分の家庭も大事にさせてもらっています。プライベートを充実させることは、きっと“やりがい”につながる!必要とされている幼児教育、保育の質を上げながら、子ども達に寄り添いたい。」と話す、吉田園長先生は、4児のお母さんです。

 

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TEL:0859-22-7900 FAX:0859-34-5659

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